研究室紹介
MD-PhDコースでは、基礎医学・社会医学分野を中心とした多様な研究室で研究活動を行うことができます。各研究室の研究内容や特色をご紹介します。
私たちの研究室では、主に組織や細胞、更にはサブミクロン構造である細胞小器官や細胞骨格などの形態を探究する「顕微解剖学」、今風に言うと「イメージング」をメインに研究を進めています。研究対象は、細胞にアンテナのように1本だけ生えている「一次繊毛」や、その“根っこ”である「中心体」、それらを形作っている「微小管」などです。得意技の各種ゲノム編集技術を駆使し、遺伝子破壊や遺伝子挿入した細胞やマウスを材料に、最先端の光学顕微鏡を用いて生きたまま細胞や細胞小器官・細胞骨格の動きを捉え、面白い生命現象の発見とそのメカニズムの解明を目指しています。何人もの先輩が学部1年次からゲノム編集やイメージングをマスターして学会発表し、時には賞を受賞したりもしています。細胞内の微細な構造の美しさ、その華麗なる動きを最先端技術と高額研究装置を駆使して堪能したいという学生さんは、是非研究室の扉を叩いてみてください!
キーワード:
線毛、細胞骨格、細胞外小胞、体壁形成、細胞移動、細胞生物学、発生生物学
私たちの研究室では、精神疾患・神経疾患の病態解明へ向けて、遺伝子ー細胞ー神経回路ー行動など様々なレベルで研究しています。脳をシステムとして理解するために、遺伝子改変や神経活動測定がしやすいモデル動物であるマウスとゼブラフィッシュを用いて、うつ病や頭痛、脳卒中などの疾患モデルを調べています。研究が様々なレベルに及ぶため、トランスジェニックやCRISPR/Cas9などの遺伝子改変技術や電気生理学、行動解析、機械学習など幅広い分野の知識を統合してのぞみます。
研究室は、大学院生を中心に、4人のスタッフがチームを作って研究を進めています。毎週、プログレスレポート(月曜日)や論文紹介(水曜日)を行なう他、初学者と神経科学の教科書を英語で議論するNeuroscience clubを行っています。また、データサイエンスやものづくり(電気回路設計、3Dプリンティング)など新規技術習得も積極的に進めています。
あなたも新たな技術で、自分だけの脳科学研究を目指してみませんか?
キーワード:
うつ病、ドーパミン、セロトニン、手綱核、モデル動物
知的探求の最前線へ:膜タンパク質が紡ぐ生命のグランドデザイン
「生命システムは、いかなる物理化学的メカニズムによって成立しているのか」ーー。
私たちの研究室では、この普遍的な謎に対し、細胞のゲートキーパーであり、かつ情報伝達の要であるイオンチャネル、トランスポーター、受容体(以下、膜タンパク質)を標的としてアプローチしています。これらは脳・心臓のシグナル伝達や、細胞の恒常性維持を司る「生命のナノマシン」です。その一分子の精緻な挙動が、どのように高次の生命現象へと昇華されるのか。そのメカニズムを分子レベルで解明することが、私たちのミッションです。
さらに、私たちの見据えるゴールは、純粋な医学・医療の領域に留まりません。膜タンパク質の動作原理を深く理解することは、次世代の革新的創薬や農業科学におけるブレイクスルーの足がかりとなり、さらには微細工学(マイクロ・ナノテクノロジー)との融合や、人工的な高機能蛋白質デザインといった未踏の応用領域をも拓く可能性を秘めています。
研究のアプローチは、極めてインターディシプリナリー(学際的)です。
分子の機能を直接手繰り寄せる電気生理学をはじめ、蛍光分光学、生化学、構造生物学、さらには計算科学を用いたモデリングに至るまで、実験(ウェット)と理論(ドライ)の両輪から多角的に迫ります。複雑な生命現象からノイズを排し、シンプルな物理・化学の言語へと落とし込んでいくプロセスは、研究者としてこれ以上ない興奮に満ちています。
背景とする専門性は問いません。高校や大学で物理・化学に魅了された人、生命の複雑なパズルを紐解くことや、自らの手で新たな系を構築することに喜びを見出す人にこそ、最適の舞台が整っています。
必要なのは、既成概念に囚われない柔軟な思考と、未知の現象に胸を躍らせる探求心です。最先端のサイエンスの現場で、自らのポテンシャルを解放し、世界を驚かせる発見を共に成し遂げましょう。次代を担うイノベーターの参画を、心より期待しています。
キーワード:
イオンチャネル・受容体・トランスポーターの動作原理、電気生理学、構造生物学、分子間相互作用、生体分子センサー、人工イオンチャネル、チャネル病
当研究室では、ガラス電極や金属電極を用いて神経細胞の電気活動を計測する、電気生理学という実験手法をメインに活用して研究を行っています。神経細胞の電気活動は、入出力のネットワークや、神経細胞の形そのものにも大きく左右されます。このため電気生理学的解析に加えて、神経活動を光で制御するオプトジェネティクス、遺伝子発現やトレーサーを用いた神経投射のトレーシング技術、特定分子の遺伝子工学的操作、神経細胞の形や機能分子の局在を調べる形態学的解析、記憶・学習・情動などを解析できる行動学的実験を組み合わせて実験を行っています。これら実験手法を用いて、神経細胞の膜電位オシレーションの機序、感覚情報の脳内伝達、精神疾患に伴う脳内変化、情動や時間感覚の機序などの解析を行っています。生物の活動を直接左右する神経細胞の活動を、リアルタイムで目の当たりにできることが魅力の一つです。
キーワード:
神経細胞、シナプス、神経回路
Coming soon
キーワード:
小胞体ストレス、細胞応答、生化学、細胞生物学、分子生物学、神経疾患、骨代謝疾患
Coming soon
キーワード:
細胞死、ネクローシス、細胞膜傷害、炎症、がん、炎症性疾患
Coming soon
キーワード:
プロテインキナーゼC、脊髄小脳変性症、パーキンソン病、神経突起伸長、神経生存、脳虚血、ミクログリア、セロトニントランスポーター
分子病理学

三井 伸二 教授
分子病理学研究室では、基礎医学として病態に根ざした先進的・探索的・応用的な病理学的研究を臓器横断的に行っています。加えて、臨床医学における診断の要である病理診断を実践し、病理専門医の育成にも尽力しています。
ゲノム・トランスクリプトーム解析についても積極的に取り組む一方、従来の免疫組織化学的解析の利点を活用した、がん・間質境界領域における解析を行っています。特に、扁平上皮癌で高発現するがん促進因子として同定されたCD109が、脳腫瘍、肺腺癌、膵癌、骨肉腫など多くのがんに臓器横断的に関与することを報告してきました。例えばCD109は肺がんにおいて、間質への浸潤を促進することが明らかになっており、上記のような解析結果を元に、腫瘍進展機構の解明や生体の恒常性維持への影響について研究を行っています。
キーワード:
腫瘍病理学、間質病理学、がん関連線維芽細胞、包括的ゲノム・トランスクリプトーム解析、消化器がん、新規診断・治療開発、がん幹細胞、ゲノム編集
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病理学研究室は基礎社会医学研究棟4階東側にあります。
スタッフは、教授、講師、助教と、1名のMD-PhDコースの学生が日々研究活動を行っています。https://pathology.hiroshima-u.ac.jp/researchPub.html
病理学研究室の研究テーマは常に、臨床において患者の疾病の診断や治療に役立つものでありたいと考えています。
すなわち病理学的診断については、その精度向上や新たな診断マーカーの開発に資するものであること、治療については、将来を見据えて治療法の開発に役立つ疾病の蛋白や遺伝子レベルでの変化を見出す事をめざしています。最近では特に過去のアスベスト曝露により社会的に問題となっている中皮腫に焦点をあてて研究しています。
我々は、日本の中皮腫の病理診断はその約15%が誤診であったことを明らかにしており、中皮腫の診断精度の向上をはかるためには、適切な免疫組織化学的染色を行うことが重要で、そのマーカーとなる抗体の開発研究を行っています。
アスベストによる発がんのメカニズムについては、未だ結論が出ていません。DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現の網羅的解析やマイクロRNAの解析から、中皮腫の発生・増殖・進展に至る過程に関わる遺伝子・分子の変化を明らかにし、さらにその中から中皮腫の新たな診断マーカー、治療標的を見出すことをめざしています。
興味のある学生さんは武島幸男ykotake[at]hiroshima-u.ac.jpまで。
詳細は業績ページへ https://pathology.hiroshima-u.ac.jp/researchPub.html
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キーワード:
ヒトがん、病理学、環境発がん、アスベスト、病理診断、肺がん、中皮腫、分子標的治療
ウイルス学

有井 潤 教授
Coming soon
キーワード:
ウイルス、自然免疫、インターフェロン、蛋白質結晶構造解析、抗ウイルス物質、B型肝炎ウイルス、筋萎縮性側索硬化症、オプチニューリン
疫学・疾病制御学では、「目の前の患者さんの課題を、社会全体の健康改善につなげる研究」を学びます。基礎研究が生命現象の仕組みを深く探究する学問である一方、社会医学は「実際に人々の健康をどう改善するか」を扱う実践科学です。
私たちの研究室では、全国規模の健診・診療データを活用し、慢性腎臓病(CKD)や循環器疾患の予防、行動変容、医療政策の改善に取り組んでいます。研究成果が論文として発表されるだけでなく、健診制度、保健指導、デジタルヘルス、政策提言などを通じて社会実装され、多くの人々の健康に直接影響する点が大きな特徴です。
MD-PhDコースでは、医療や保健の現場課題に直結する疑問を、データサイエンスや因果推論を用いて検証し、「社会を変えるエビデンス」へ発展させる力を養います。研究を通じて、1人の患者を診るだけでなく、数万人・数百万人の健康を改善する視点を持ちたい学生を歓迎します。
キーワード:
肝炎ウイルス(HBV, HCV, HAV, HEV)、疫学、疾病制御と対策、理論疫学(Bayes, Markov 等)、ウイルスの遺伝子解析、がん検診の有効性評価、血液事業と献血推進、big data解析とデータヘルス、医学統計、グローバル疫学
Coming soon
キーワード:
公衆衛生、産業保健、災害医療、災害公衆衛生、災害産業保健、国際緊急援助、J-SPEED、WHO EMT MDS
Coming soon
キーワード:
臨床法医学、児童虐待、家庭内暴力、高齢者虐待、薬物、クロマトグラフィー、質量分析、細胞周期、DNA損傷、エピジェネティクス、分化、薬物中毒、産業中毒、薬物依存、簡易薬物検査、クロマトグラフィー、質量分析、代謝物分析、毛髪分析
「なぜ病気は起こるのか」「どうすれば防げるのか」——こうした問いに真正面から向き合うのが免疫学です。当研究室では、基礎から応用まで幅広い研究を通じて、生体防御の仕組みを明らかにし、人類の健康に役立てることを目指しています。MD-PhDコースの学生には、講義では得られない実践的な研究経験を提供し、早期から研究者としての思考力を育てます。失敗や試行錯誤も含めた研究のプロセスそのものが、将来の大きな力になります。好奇心と挑戦心を大切にし、医学と科学の両方に興味を持つ皆さんと一緒に研究できることを楽しみにしています。
キーワード:
抗原受容体、リンパ球分化、免疫不全、リンパ腫、免疫監視、遺伝子治療、アレルギー、自己免疫疾患










